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2007/12/05

ウィーン美術史美術館/Kunsthistorischesmuseum

関連リンク:
美術史美術館(独/英)

フランツ・ヨセフ皇帝は、実質上の帝政最後の皇帝と考えられてます。彼は土木工事の皇帝と言われるほど多くの建造物をウィーンに残しました。環状道路建造については別に公開しましたから、そちらを参照していただくとして、今回は「ウィーン美術史美術館」のお話です。

ウィーンでは、大正7年、1918年、今から90年ほど前まで帝政が続き、その間に革命が無く、また、ほとんど全ての美術芸術品が2次大戦の戦火から保護されました。それにより帝政時代の遺産がそっくりそのまま現代へと伝えられてます。ウィーンに来ると世界的にも素晴らしい観光箇所が目白押しで、見学箇所を決めるのが大変なほどです。

ウィーン美術史美術館は、ヨーロッパ内ではロンドン・パリ・ウィーンと言われる程有名な美術館です。ウィーンの3大美術館、美術史美術館・ベルベデーレ宮殿・レオポルド美術館の中でも一番規模が大きく、重厚なコレクションを有してます。ウィーン観光でシェーンブルン宮殿の次に美術史美術館の観光を組む人が多いのもうなずけます。

美術史美術館の正式名は [KunstHistorischesMuseum] 、短縮しKHM(カーハーエム)と呼びます。日本語へ直訳すると「芸術、歴史の博物館」です。上階の絵画のギャラリーが有名なために、美術館として知られてますが、下階に古代エジプト・ギリシア・ローマ、その他多くの手工芸品や彫刻類のコレクション、最上階に膨大なコインのコレクションなどがあり、これら博物館部門のコレクションから、正式には「美術史博物館」と名付けられてます。

美術史美術館のコレクション

ウィーン美術史美術館・絵画部門には、ハプスブルク家の皇帝家族が歴史の中で収集したコレクションから、ルネサンスとバロック時代のものが展示されてます。特に北方ルネサンスの農民画家と言われるブリューゲルのコレクションは、世界最大、門外不出のコレクションとして世界中に知られてます。バベルの塔、狩人の帰還、農民の結婚式の他に、本当に興味深く、人間的で楽しいブリューゲルが目白押しです。お見逃しなく!

その他、ハプスブルク家の分家がスペインで200年間続いたことから、スペインバロックの巨匠ベラスケスの部屋や、同様に領地であったベネチアルネサンスの素晴らしいコレクションも充実してます。
ルネサンスとバロック時代の過渡期の頃に生み出されたアーチンボルトの奇妙な作品群も、他に類が無いこと、完成度の高さから、テレビなどによく紹介されます。

ネロ少年と彼に寄り添った名犬パトラッシュの物語「フランダースの犬」の物語でよく知られるルーベンスのコレクションには、弟子達ではなく、ルーベンス自身が筆をとり完成させた貴重な作品が含まれます。
北方絵画コレクションの片隅にある、レンブラントの作品群の前に立てば、闇に浮かぶ黄金色の光に表現された、ヨーロッパにおけるドラマの時代「バロック時代」に豊穣した、壮絶なヨーロッパ精神の一面に圧倒されることでしょう。

フェルメールの描いた「画家のアトリエ」は、精神を浄化する静寂さをたたえ、見る人を惹き付けます。
等々、あげればきりがありませんが、ウィーン美術史美術館では、これらの絵画が状態良く保存され、また、芸術鑑賞にふさわしい空間に展示されているのもありがたいです。

なお、この建物は最初から博物館として計画的にデザインされたものです。巨匠ハーゼナウアーによる、建物内部の色遣いのバランスと、素晴らしい装飾を楽しむのも忘れずにどうぞ!

希にチケット売場が突然混むことも

日本人だけでなく世界各国からの人々が訪れるKHMは、ウィーンの一般の人々にも人気が高く、特に穏やかな美術館日和の週末などはキャッシャーに長蛇の列ができ、ときには30分以上も並ぶこともあります。ライセンスガイドが同行すれば、その心配もありませんが、時間に制限のある観光では朝10時の開館以前に入り口に並ぶことになります。

チケットの事前購入

ですが、どんなに長い列ができているときでも、またライセンスガイドが同行していなくても、すぐに入場する方法があります。それは事前にチケットを入手しておくという、いたって簡単な事前準備です。一昨年にオープンした歩行者天国脇のKHMインフォメーションの存在は、ほとんど知られていませんが、実はここで入場券の前売りもしているのです。事前入手の時間的ゆとりすらない場合は仕方ないとして、もしも事前入手にさほど大きな負担がなければ、「転ばぬ先の杖」としてお勧めです。場所はサーフランド(日)の並びです。なお、このKHMインフォメーションは週末祝日などは閉まってます。

日本語観光ガイドの薦め

ウィーンの観光ガイドはライセンス制です。ガイド学校で学び、国家試験をパスしてます。美術館の説明はヨーロッパの時代背景も含め、日本人には日本語の説明が一番です。確固とした意志で「観る絵」が決まってなければ、膨大なコレクションに振り回され、気付けば絵を鑑賞せずに疲れ果ててます。安価な日本語ツアーがありますから、是非どうぞ。

高崎守弘